展示室には、光創起イノベーション研究拠点と関係機関で研究している成果と実用化されている製品の一部を展示しています。
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現在のハイビジョン放送規格の16倍(8K:水平7,680×垂直4,320画素)の画素数を持つ高精細の8Kスーパーハイビジョンカメラ用イメージセンサー「BT3300N」は、(株)ブルックマンテクノロジ製です。
BT3300Nは、スーパーハイビジョンのフルスペック規格(8K、120コマ/秒)を達成する唯一(2016年1月時点)のイメージセンサのリファレンスとして、開発され、これを用いたカメラが、すでに、関係企業で開発され、NHKで試験放送されています。
新たな近赤外分光装置(NIRS)トッカーレ「toccare」は、浜松医科大学と静岡大学、株式会社アステムの連携により開発した装置です。
静岡大学の庭山雅嗣准教授は、いろいろな光伝播解析と実測を行い、多点光計測による空間分解法と近赤外分光法(NIRS)の原理で、これまで課題となっていた測定誤差を、約1/10に低減することに成功しました。
空間分解法によって、深さ方向の血中酸素濃度の分布を正確に測定する技術です。
浜松医科大学の金山尚裕教授は、このNIRSセンサを医師の指先に一体化させるコンセプトを提案しました。これにより、胎児や新生児の健康状態の情報を診断できるようになりました。
半導体GaP結晶を利用した差周波発生法により、単色コヒーレントテラヘルツ光源を開発しており、高い周波数精度が得られるという特徴を用いて、テラヘルツレーザー分光測定装置への応用を進めています。
この小型高出力テラヘルツ光源は、産業応用として、工場などの検査工程に組み込むことができるように、小型化・省エネを実現し、誰でも簡単に操作できる装置として開発しました。
国立医薬品食品衛生研究所の坂本氏は、医薬品に用いる結晶の非晶質から無水物への擬似結晶形転移に対する結合剤の影響を調べ 、製錠用顆粒物の調製で 重要な添加剤である結合剤の粘度と擬似結晶形転移の関連性の評価を佐々木先生と共同で行っています。
錠剤の溶出性などの物性に基づく品質不良の検知に結びつく可能性があり、医薬品の製造工程におけるテラヘルツ波技術の可能性とテラヘルツ帯のケミカルイメージングによって錠剤中の擬似結晶形の分布や転移過程を調べることが可能です。
今後、製剤の開発段階における品質特性の評価に活用するだけでなく、工程における製造品質の確保や予測不能なリスク発生時におけるトラブルシューティングにも適用可能であることが示されました。
Time of Flight 法は、イメージセンサーを用いる距離画像測定法のひとつです。
光を対象物に投射し、その反射光が返ってくるまでの時間を計測することにより、対象物までの距離Lを求める方法です。
- 光の速さ:1秒間30万キロ(299,792,458m / 秒)
- 光が1m進む時間:3.3ナノ秒(=3.3×10-9秒)
- 光が1mm進む時間:3.3ピコ秒(=3.3×10-12秒)
静岡大学 川人・香川・安富研究室では、TOF距離画像センサの研究をしており、CMOSプロセスでCCDと同様の高速電荷転送を実現し、遅れ時間に依存した信号を分配することで、対象物までの距離の計測を実現しました。
このイメージセンサを搭載したCMOS-TOFカメラは、リアルタイムで明暗画像と距離画像を確認することができます。
http://www.idl.rie.shizuoka.ac.jp/study/project/tof/index.html
イメージセンサは、簡単に言うとデジタルカメラの心臓部です。イメージセンサは、日本が最も強い産業分野で、CCDは95%以上、CMOSは50%以上が日本で開発されています。
従来の超高感度カメラは、冷却が必要(-50℃)で、高電圧駆動(30V)のため、大きくて重いのが難点でした。
静岡大学 川人・香川・安富研究室では、人間の目を超えた150dBの広ダイナミックレンジを実現し、明るいところと暗いところを同時に撮影することができるようになりました。
そして、企業との共同研究で、超小型化にも成功しました。
http://www.idl.rie.shizuoka.ac.jp/study/project/multi_low_noise/index.html
展示品は、2012年に発売された簡易的な土壌汚染調査や定点観測用の測定モジュールとして活用することを想定している検出器です。
製品名は、「もに太くん」。
テルル化カドミウム(CdTe)半導体検出器です。
USBでパソコンに接続して、スペクトル表示ができます。
現在のカラーカメラは、色域がsRGBの三角形のエリアに限定されているため、実際の色データをより美しく表現できるように脚色しています。
パパラボのカメラは、カメラフィルターに人の眼の感度を持たせたことにより、今まで撮ることができなかった色も撮ることができ、まさに“見たままを撮る”ことができます。
また、このカメラは、人が見ることができる色全てを測色的に取得しているので、計測器としても高精度で色解析できます。
浜松ホトニクスは、「持続可能性」の価値観に則った研究開発活動を「Life Photonics(ライフホトニクス)」と呼び、生命や生き物、人生、活力源、生き方など広範な意味を含む「Life」をテーマとしたさまざまな光技術の研究に取り組んでいます。
生体に取り込まれたポジトロン(陽電子)放出核種から放出されたポジトロンは、その近傍で運動エネルギーを失った後、物質構成電子と結合して消滅します。その際、1対の消滅ガンマ線(エネルギー511keV)が互いに正反対の方向に放出されます。これらのガンマ線対を1対の検出器で同時計数することで、ポジトロンが放出された位置を検出します。
http://www.hamamatsu.com/jp/ja/technology/innovation/pet/index.html
- シンチレータに入射したγ線は微弱な光に変換され、光電子増倍管によって電気信号に変換されます。
- 1対のPET検出器で同時計数することによりγ線の放出位置を検出します。
No. | 発表年 | 名称 | 発表国際会議 | チップ |
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1 | 1995年 | 高感度マイクロフラックスゲート磁気センサ Ver.2 | ||
2 | 1996年 | 集積化マイクロフラックスゲート磁気センサ | ||
3 | 1997年 | 低消費電力画像圧縮CMOSイメージセンサ | ||
4 | 1999年 | 高感度2軸ディジタルフラックスゲート磁気センサ | ||
5 | 2000年 | 低消費電力動きベクトル検出用高速イメージセンサ | ||
6 | 2002年 | 世界最小電力を達成した高速A/D変換器 | ||
7 | 2003年 | 適応ゲインカラム増幅に基づく高感度CMOSイメージセンサ | ||
8 | 2003年 | 超高速・低消費電力パラレルパイプラインA/D変換器 | ||
9 | 2003年 | 磁気センサアレイを用いたCMOSロータリエンコーダ | ||
10 | 2004年 | CMOSロータリエンコーダのためのネイティブ基板型磁気センサ(MAGFET)アレイ | ||
11 | 2004年 | 多重解像度カラム並列A/D変換による広ダイナミックレンジイメージセンサ | ||
12 | 2005年 | 画素ノイズキャンセル、及びカラムオフセットキャンセル機能を有するCMOSイメージセンサ用巡回型A/D変換器 | ||
13 | 2005年 | 厚い酸化膜上のゲートを用いたCMOS TOF距離画像センサ | ||
14 | 2005年 | 複数露光時間信号バースト読み出し法と初の12bカラム並列ADCを集積した120dB広ダイナミックレンジイメージセンサ | ||
15 | 2005年 | 角度計算回路を集積化し、1回転10b分解能を達成したCMOS磁気ロータリエンコーダ | ||
16 | 2005年 | カラム固定パターンノイズ低減機能を持つ160dB広ダイナミックレンジCMOSイメージセンサ | ||
17 | 2006年 | 容量結合技術を用いた1.0V 30mW 10b 100MSample/s パイプラインA/D変換器 |
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18 | 2006年 | 12bitカラム並列巡回型A/D変換器を集積した3500fps高速度イメージセンサ | ||
19 | 2006年 | CMOS Time-of-Flight 高画素3次元距離画像センサ |
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20 | 2007年 | プリチャージ技術を用いた低消費電力14bパイプラインA/D変換器 | ||
21 | 2007年 | SIMD型列並列画像圧縮回路を集積化した高速度CMOSイメージセンサ | ||
22 | 2008年 | 線形セットリング誤差補正を用いた低消費電力15bパイプラインA/D変換器 | ||
23 | 2008年 | カラムADCとして初めて14bit分解能を実現した巡回型A/D変換器を用いたCMOSイメージセンサ | ||
24 | 2009年 | LED光源を用いて1Mbps通信が可能な空間光通信CMOSイメージセンサ | ||
25 | 2010年 | 世界初のグローバルシャッタで低雑音(2.7電子)を実現したCMOSイメージセンサ | ||
26 | 2010年 | LED光源を用いて長距離70m、高速10Mbpsの通信を達成した空間光通信CMOSイメージセンサ | ||
27 | 2011年 | 13-19bit可変分解能の折り返し積分/巡回型ADCを集積した低雑音・高ダイナミックレンジCMOSイメージセンサ | ||
28 | 2012年 | 12bit巡回型ADCを用いた毎秒120フレームのSHVカメラ用CMOSイメージセンサ | ||
29 | 2012年 | CMOS Time-of-Flight 高画素3次元距離画像センサ | ||
30 | 2013年 | 200Mfps画素内圧縮型マルチアパーチャ超高速イメージセンサ | ||
31 | 2013年 | 時間分解計測のための2タップロックイン画素を用いた10ps高時間分解能CMOSイメージセンサ | ||
32 | 2013年 | CMOS Time-of-Flight 高画素3次元距離画像センサ | ||
33 | 2014年 | カラムゲーティングクロックスキュー補正を用いた0.3mm距離分解能 Time-of-Flight CMOSイメージセンサ | ||
34 | 2015年 | 200Mfpsシングルショットを実現する5x3マルチアパーチャ構造画素内圧縮型イメージセンサ | ||
35 | 2015年 | 蛍光寿命イメージングのための2タップTrue-CDSロックイン画素を用いた10.8ps時間分解能256x512画素イメージセンサ |
http://www.idl.rie.shizuoka.ac.jp/study/chipgallery/index.html
静岡大学の庭山雅嗣准教授は、これまで非常に大きな装置であったNIRSを小型化し、生体の内部を透過してきた光を距離の異なる複数の受光素子で検出することで、生体組織中の血液動態を非侵襲に計測する新しいアルゴリズムを開発しました。
この新しい空間分解法を用いたNIRSシステムは、皮膚など介在組織の影響を補正して、測定値の精度を向上させています。また、従来法であるポジトロンCTとの比較実験も行い、その精度を確認しています。
このサンバイザータイプの脳NIRSは、庭山准教授の技術を株式会社アステムが実用化したものです。
新しく開発した極薄のNIRSプレートデバイスを張り付けており、サンバイザーを被ることで前頭部の血量の酸素飽和度の変化を計測できる画期的な装置です。
静岡大学は、文部科学省「革新的イノベーション創出プログラムCOI STREAM」の「精神的価値が成長する感性イノベーション拠点」に、光創起サテライトとして参画しています。
このプロジェクトで静岡大学 川人教授は、非接触で顔の血流から人のストレス状況などを計測する「顔感性カメラ」を開発しました。
昼から夜まで明るさが大きく変化する実装環境下でも顔の血流をイメージセンシング技術を駆使して正確に計測する高感度広ダイナミックレンジ特性カメラの研究成果です。
光創起イノベーション研究拠点では、2015年の開所式以降、国内外から数百名の視察・見学を受け入れており、その中で一番関心の高かったのは、8Kスーパーハイビジョン放送の視聴です。
静岡大学川人研究室・静大発ベンチャー(株)のブルックマンテクノロジ・NHK放送技術研究所の共同研究による世界初の8Kスーパーハイビジョンカメラ用CMOSイメージセンサを紹介するために、高柳記念未来技術創造基金により、8K対応液晶テレビ、8K対応チューナー、および8K対応ハードディスクドライブを設置導入して、2018年12月に開始された新4K/8K衛星放送を受信・視聴・記録できるようになりました。
展示は、X線が実用化されつつあった初期のX線発生器である「熱陰極管」「冷陰極管」型のX線管と、最新の化合物半導体プロセス×3D-IC技術で試作したフルデジタルX線イメージャーです。
このX線管が使われた頃の受光部は「X線写真フィルム」でした。静岡大学青木徹研究室の開発した受光デバイスは「ナノビジョンサイエンス」の概念に基づき、X線の光子1つ1つと発生した電子をそれぞれデジタルカウントし、エネルギー弁別能と高係数率を実現した最先端のイメージャーです。
静岡大学の青木徹教授と(株)ANSeeNは、CdTe(テルル化カドミウム)半導体検出器を用い、従来型センサより、格段に高効率で高精細なX線画像を撮像することができるX線ラインセンサカメラを開発しました。
このカメラは、毎秒500フレーム以上の速度で撮像できるため、出荷検査工程における高速なインライン検査でも利用できます。
従来のシンチレータ型検出器は、X線を光に変換してからカメラによる撮像を行うため、変換時、光の拡散により画像にぼけが生じるという課題がありましたが、このCdTe検出器は、画素中でX線光子を電荷に直接変換するため、より高精度なX線画像を撮像することができます。
静岡大学の下平美文特任教授と(株)パパラボは、XYZ等色関数を線形座標変換により等価変換することで、通常の撮像装置とほぼ同じ構成要素で人の目が感じる色域全てを撮影できる撮像装置を開発しました。
この4k全色域カメラは、色の数値データ(色度分布、色分布一致度、経時変化など)を取得することができるため、それぞれのユーザーが「色」データとしてだけでなく、メタリック感、粗さ加減、ラメ感、パール感、シボ感など質感を図る道具として、様々な産業で活用することが期待されています。
モルフォ蝶は、構造色と呼ばれる発色の仕組みを持っており、一般的なカメラで正確な色を撮像することは困難ですが、4k全色域カメラはこのような鮮やかな色も撮像・出力することが出来ます。
静岡大学の下平教授は、高色忠実再現技術を広く産業で活用してもらうために、2013年から標準化準備委員長として超高精細(UHD-TV)色域における産業用カメラの色再現精度国際標準化活動を進め、2つの国際規格を成立させました。
2018年から本格放送が始まった4k/8kスーパーハイビジョン放送は高解像度に加え広色域の規格もあり、このLED電子色票はスーパーハイビジョンの広色域の任意の色をカメラのテスト用に表示することが可能です。
(株)ブルックマンテクノロジ製の8kスーパーハイビジョンカメラ用イメージセンサを搭載した8k (7680x4320、59.94Hz)カメラの映像とフル解像度8k を記録・再生できる8kレコーダの映像を55inchの8k液晶モニタでご覧いただけます。
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